2025.12.25
INFO
貸付型クラウドファンディングの募集業務における不適切事例の判明について

弊社は2024年8月より「ヤマワケ」のブランドで融資型(貸付型)クラウドファンディングのプラットフォームを運営しておりますが、同プラットフォームで過去に実施したファンド募集業務において、弊社役職員による法令違反に該当する行為があったことが判明いたしました。

該当するファンドに投資いただいた投資家の皆様、弊社サービスサイトをご覧いただき投資をご検討いただいた皆様、その他ステークホルダーの皆様に深くお詫び申し上げますとともに、下記の通り詳細をご報告させていただきます。

弊社では、第二種金融商品取引業者としてコンプライアンスの遵守を徹底しておりますが、今般このような事態を招いたことを重く受け止め、関係者の処分を含む改善策に取り組み、これまで以上に社内教育並びに管理体制の強化に努め、再発防止に取り組んでまいります。

 

  1. 法令違反の内容について
    1. 法令違反の内容
      1. 投資意思の無い弊社役職員によるファンドへの申し込み行為
        サービス開始初期のファンドにおいて、投資家様の登録数もまだ十分ではなかったことなどから、一部のファンドで募集金額に対して応募状況が芳しくない状況が発生いたしました。これらのファンドに対して、一部の役職員が「活発に応募が行われている印象を与えたい」「不人気のサービスというイメージを持たれることを避けたい」といった考えから、実際には投資する意思がないにもかかわらず、本人名義の口座で投資申し込みを行っておりました。(一部の申し込みについては、実際に当選対象となったにもかかわらず入金を行わないことでキャンセル扱いとなっております。)
        斯かる行為は顧客誘引目的で虚偽の情報を提供しているという点で、以下の法令に抵触していると判断いたしました。
        ・金融商品取引法第38条第1項第1号及び第9号
        ・金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号
      2. 契約締結前交付書面と異なる方法によるキャンセル待ちの繰り上げ当選処理
        キャンセル待ちの繰り上げ当選の順位について、契約締結前交付書面では先着順で繰り上げ当選させる旨規定していましたが、一部のファンドにおいて規定通りの当選処理を行わず、恣意的に申し込み順序に関わらずに繰り上げ当選させる処理を行っているものが確認されました。
        斯かる行為は事実と異なる情報に基づいて募集行為を行ったという点および特定の顧客に対して特別の利益を供与したという点で、以下の法令に抵触していると判断いたしました。
        ・ 金融商品取引法第38条第1項第1号及び第9号
        ・ 金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号及び第3号
      3. 投資家への権利譲渡を前提とした役職員名義によるファンド申し込み行為
        弊社の役職員が投資家様から口頭でファンドに応募したい旨の申し出を受けましたが、その時点で該当の投資家様の口座開設が完了しておらず、募集期間中に口座開設が間に合わない可能性があるという状況が発生いたしました。
        これに対して、当該役職員は自らの名義で投資申し込みを行い、ファンド成立後に権利譲渡を行う形で当該投資家様に便宜を図っておりました。
        斯かる行為は特定の顧客に対して特別の利益を供与したという点で、以下の法令に抵触していると判断いたしました。
        ・ 金融商品取引法第38条第1項第9号
        ・ 金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号及び第3号
      4. システム上の制約に対応するための関係会社名義によるファンド申し込み行為
        弊社のクラウドファンディング・プラットフォームのシステム仕様上の制約から、過去に募集したすべてのファンドにおいて、弊社が影響力を有する法人の名義で投資申し込みをおこなっておりました。
        具体的には以下2点のシステム制約に対する措置となります。
        ①募集期間の終了後に当選した投資家様によりキャンセルが発生した場合に、募集額に対するキャンセルによる不足額等の条件次第で、システム上でファンドを運用開始するオペレーションができなくなるため、そのような事態に対応するため、募集終了期間前にキャンセルが予想される金額をもとに、あらかじめファンド運用開始に影響が出ない金額の申込を行う
        ②先着式ファンドなどで募集ページへのアクセスが集中した際、サーバの負荷増加等を原因としてシステムエラーが発生するケースがあるが、これらのエラーを投資家目線でキャッチするため、弊社が管理可能な法人名義で投資申し込みを行い、システム稼働状況のモニタリングを行う
        斯かる行為はⅰ.のように顧客誘引を目的とした行為ではないものの、結果として実際の募集状況より応募状況がよく見えるという観点から、幅広にとらえて顧客誘引目的で虚偽の情報を提供しているという点で、以下の法令に抵触していると判断いたしました。
        ・ 金融商品取引法第38条第1項第1号及び第9号
        ・ 金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号
    2. 対象ファンド
      2024年8月から2025年3月にかけて募集したファンドの内28ファンド。
      ファンド一覧は本文末尾の別表をご参照願います。
  2. 発覚の経緯
    弊社では第二種金融商品取引業者として適正な業務運営を担保するため、定期的にプラットフォームの運営状況について社内モニタリングを実施しておりますが、2025年3月頃に実施した社内調査において、運営管理体制に不十分なところがあるとの調査結果を得ました。
    「ヤマワケ」は2024年8月のサービス開始以降、順調にファンド募集を重ね、プラットフォームとしての実績を積み上げてきたところではありましたが、弊社としては管理体制に不備を抱えたままでは適切な投資商品の提供は行えないとの判断から、2025年4月以降は新規ファンドの募集を中止し、管理体制の整備に徹底して取り組むことといたしました。
    この過程で各業務の運用状況を精査したところ、前述の事案が判明したため、法令違反への該当可能性等を社内で慎重に検討いたしました。その結果、当該行為が法令違反に該当するとの結論に至り、法令に違反した状態でファンド募集を行っていたことを投資家の皆様に周知するため、本件により違反事例を公表することを社内決定いたしました。
  3. 再発防止策について
    弊社では法令違反が発生した事実を重く受け止め、同じ過ちを繰り返さないため、法令違反を引き起こした原因を調査・分析し、以下の通り再発防止策を講じております。(各施策の詳細な内容については割愛させていただきます。)

    1. 経営体制・業務管理体制の見直し
      本件発覚以降、既にお知らせ等にて公表している経営陣の刷新も含めて、内部統制の強化に努めております。主な具体的対策は以下の通りです。

      1. 人員の再構成
      2. 経営会議の運営改善
      3. 内部統制システムの構築・強化
      4. 審査体制の強化
      5. 法務・コンプライアンス部の増強
      6. 通報窓口の設定
    2. 役職員への意識付け
      法令違反を防ぐことができなかった要因として、営業を重視する会社運営や役職員の知識不足が大きく影響していたと判断し、以下の取り組みにより役職員の意識改革を図ります。

      1. 定期的な研修の実施
      2. 社内規程の改訂と内容の周知
    3. 内部監査部門の強化
      法令等に抵触する事案が発生した原因の一つが、各部門の業務に対して第2線や第3線の部門による把握が不十分であったとの反省から、内部監査部による監査機能の強化を図っております。
    4. 対象者の処分
      調査の結果、役員5名、従業員5名が法令違反行為に関与していたことが確認されたため、就業規則等に基づき以下の処分をおこなっております。

      1. 報酬3ヶ月分の自主返納 2名
      2. 役員からの退任 1名
      3. 厳重注意 1名
なお、上記処分対象者である4名以外の役員2名、従業員4名についても同等またはそれ以上の処分が相当と判断しておりますが、既に退社済みであることから処分は行いません。

この度はお客様やお取引先をはじめ、多くのステークホルダーの皆様に多大なるご心配をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
弊社は上記に挙げた再発防止策に真摯に取り組み、投資家の皆様に安心して投資していただけるプラットフォームとしての信頼回復に努めてまいります。
適切な投資商品の提供に十分な管理体制が整ったと社内で判断出来次第、新規のファンド募集を再開させていただく予定ですので、募集再開を楽しみにお待ちいただけると幸いです。
引き続き「ヤマワケ」をご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

本件に関するお問い合わせは、下記、メール又はお問い合わせフォームからお願いいたします。

メールアドレス:info@yamawake.jp

お問い合わせフォーム:https://yamawake.jp/inquiry

 

なお、2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)まで年末年始の休業期間となっております。年末年始休業期間中もメール及びお問い合わせフォームからのお問い合わせは随時受け付けておりますが、休業期間中にいただきましたお問い合わせの返信は2026年1月5日(月)以降となり、お問い合わせが集中した場合、通常より返信にお時間をいただく場合があります。あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。

以上

 
 

(別表)

法令違反行為のあった対象ファンド 違反内容(※)
商品流通事業ファンド ⅰ. ⅳ.
岸和田だんじり祭ファンド ⅱ. ⅳ.
銀座高級飲食店新規開店ファンド ⅰ. ⅲ. ⅳ.
墨田区立花新築ファンド ⅳ.
北海道産ホタテ輸出プロジェクト ⅳ.
さくらの森ビタミンCサプリMy+Ceeファンド ⅰ. ⅳ.
板橋区宮本町新築ファンド ⅱ. ⅳ.
商品流通事業ファンド2nd ⅰ. ⅳ.
六本木ミュージッククラブCROSSROPPONGIファンド ⅰ. ⅳ.
ペット用品商品流通ファンド ⅳ.
富喜製麺京都・熊本駕町開店ファンド ⅱ. ⅳ.
大田区中央3丁目新築ファンド ⅱ. ⅳ.
大田区大森北新築ファンド ⅳ.
子ども栄養補助食品COCOSUQ&温活農園ファンド ⅱ. ⅳ.
QuQuMoファクタリング事業ファンド ⅳ.
長野県テクノの祭典ENCHANTファンド ⅳ.
港区南麻布新築ファンド ⅱ. ⅳ.
商品流通事業ファンド3rd ⅱ. ⅲ. ⅳ.
売掛金前払いサービスファンド ⅳ.
富喜製麺五反田・三軒茶屋開店ファンド ⅱ. ⅳ.
大田区雑色駅周辺新築ファンド ⅳ.
大田区西六郷新築ファンド ⅳ.
大田区池上駅周辺新築ファンド ⅳ.
墨田区八広新築ファンド ⅳ.
東京都目黒区上目黒新築ファンド ⅳ.
MUSICCIRCUS大阪BeatsTripファンド ⅱ. ⅳ.
目黒区五本木新築ファンド ⅱ. ⅳ.
足立区梅田新築ファンド ⅳ.

※ 本文1.a.法令違反の内容の項番で該当する項番を表示

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