マネー&ビジネス
2025.07.11
地球温暖化や異常気象などの影響を受け、持続可能な社会への関心が高まる中、注目されているのが「グリーンエネルギー投資」です。
グリーンエネルギー投資とは、太陽光・風力・水力・地熱などの再生可能エネルギーや、環境負荷の少ない事業に資金を投じ、その成果に応じたリターン(利益)を得る投資方法です。
経済的利益と同時に、地球環境保護にも貢献できる点が大きな特徴であり、近年は個人投資家からも高い関心を集めています。
投資家は、株式・債券・投資信託などを通じて環境関連事業に資金提供し、その事業の成長による収益を得る可能性があるという仕組みです。
対象分野には、再エネ発電プロジェクトのほか、省エネ技術の開発や電気自動車(EV)関連事業なども含まれます。
グリーンエネルギー投資では、特に次のような分野が注目されています。
※債券とは「国や地方公共団体、企業などが資金を調達するために発行する有価証券で、」で、 購入することで投資家は資金を貸し付け、一定期間後に利子とともに元本の返済を受けることができます。比較的安定したリターンが期待されるのが特徴ですが、発行体の信用状況や金利の動向によって、元本や利回りに影響が出る可能性もあります。
実際にグリーンエネルギー投資として取り組まれている例を紹介します。
※ただし、市場環境や発行体の信用状況によってリスクがある点には留意が必要です
環境問題が注目される中でよく耳にする「グリーンエネルギー」と「クリーンエネルギー」。この2つの言葉は似ているようで、実は意味や範囲が異なります。
グリーンエネルギーとは、再生可能であり、かつ環境への負荷が極めて少ないエネルギー源を指します。
主に自然界に存在する力を利用して発電するため、燃料を燃やす必要がなく、二酸化炭素(CO₂)排出量がほとんどないのが特徴です。
代表的なグリーンエネルギーは以下の通りです。
これらは、理論上「無限に近い」エネルギー資源とされ、地球温暖化対策や持続可能な社会づくりにおいて、重要な役割を担っています。
一方、クリーンエネルギーは、環境への影響が少ない、または排出物が非常に少ないエネルギー全般を指す言葉です。
グリーンエネルギーも含まれますが、それ以外にも次のようなエネルギー源が含まれる場合があります。
つまり、クリーンエネルギーは「温室効果ガスの排出が少ないこと」に重点を置いた広い概念です。
必ずしも再生可能エネルギーである必要はありません。
グリーン投資は近年、世界中で急速に注目を集めるようになっています。その背景には、環境問題の深刻化や社会の価値観の変化、そして各国政府の支援策など、複数の要因があります。
地球温暖化、海洋汚染、大気汚染といった環境問題は、いまや世界共通の深刻な課題となっています。
これを受けて、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」や、気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」が採択され、各国や企業が脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させています。
このグローバルな潮流の中、環境に配慮した経済活動への関心が高まり、
グリーン投資は「時代の要請に応える投資」として注目を浴びています。
個人投資家はもちろん、年金基金や金融機関など機関投資家からの関心も急速に高まっています。
近年、「利益だけでなく、社会や環境にも貢献したい」という価値観が広がっています。
特に若い世代を中心に、「共感消費」や「エシカル投資」といった考え方が定着しつつあります。
また、SNSやインターネットの普及により、企業の環境への取り組みや社会的責任(CSR)に関する情報が簡単に手に入るようになりました。
こうした変化により、「何にお金を使うか」「どの企業に投資するか」が、個人の価値観やライフスタイルを映し出すものとなり、投資行動自体が自己表現や社会参加の手段となっています。
各国政府も、グリーンエネルギーの普及と脱炭素化の推進に力を入れています。
主な支援策は次のとおりです。
日本でも、「GX(グリーントランスフォーメーション)推進法」の施行により、太陽光発電の導入支援や、カーボンクレジット制度の整備が進められています。
さらに、金融庁や環境省なども、ESG投資やグリーンファイナンスの普及や、個人投資家向けの情報提供体制の整備に積極的に取り組んでおり、グリーン投資への参加がより身近なものになりつつあります。
グリーン投資といっても、選べる投資手段は多岐にわたります。ここでは初心者でも取り組みやすい代表的な投資商品を紹介し、それぞれの特徴、メリット、注意点をわかりやすく解説します。
再生可能エネルギー関連の企業(例:太陽光パネルメーカー、風力発電装置の企業)などの株式を購入する方法です。成長性が高い企業を見極める力が必要ですが、リターンも大きくなる可能性があります。
複数のグリーン企業を対象とした分散投資が可能な商品です。初心者にとってリスクが抑えられ、少額からでも投資しやすい点がメリットです。ESG関連ETFは国内外でラインナップが増えています。
企業や地方自治体などが環境改善に関連するプロジェクトの資金調達を目的に発行する債券です。 資金の使い道が、再生可能エネルギー、省エネルギー、環境保全などの環境事業に限定されている点が特徴です。リスクは比較的低く、安定した利回りを求める投資家に人気があり、世界各国の政府や企業が積極的に発行しています。
太陽光発電や小規模再エネ施設への少額投資が可能な仕組みです。一口1万円から始められる案件も多く、初心者にも始めやすい投資スタイルです。プロジェクト単位での投資になるため、案件ごとにリスクや収益性を慎重に見極める必要があります。
グリーンエネルギー投資は、環境保全と資産形成を同時に目指せる点が魅力ですが、リスクも存在します。ここでは、メリットとデメリットを整理します。
グリーン投資は、再生可能エネルギーの導入や省エネ技術の普及を資金面で支える手段です。日常生活だけでは難しい社会貢献を、資産形成と両立できる点が大きな魅力です。
再生可能エネルギーや環境ビジネスは、世界的に注目されている成長分野です。長期的な視点で投資を行えば、将来的に大きなリターンを得られる可能性もあります。
近年の投資は、環境・社会・ガバナンス(ESG)の要素を重視する流れが加速しています。グリーン投資はこのESGトレンドと親和性が高く、機関投資家からの資金流入も見込まれ、今後の市場拡大が期待されます。
グリーン関連の銘柄は、政策の変更や国際情勢の影響を受けやすく、価格が大きく変動することがあります。特に補助金制度や規制変更などには注意が必要です。
グリーン投資は比較的新しい分野のため、信頼できる情報が少ない場合があります。特に未上場企業や海外プロジェクトなどは、情報の透明性や信頼性に欠けることがあるため、慎重な調査が必要です。
環境に貢献できる反面、利回りが低めの商品も多く存在します。高リターンを期待できる案件ばかりではないため、自分の投資目的に合った商品を選ぶ必要があります。
グリーンエネルギー投資に興味を持ったら、無理なく、少しずつ始めることが成功への第一歩です。
初心者でも安心して取り組めるよう、基本ステップを紹介します。
最初のステップは、正確な情報を集めることです。グリーン投資の特徴や投資の基本を学ぶために、ネット記事や書籍、証券会社が開催するセミナーなどが参考になります。
信頼できる情報源としては、金融庁や環境省といった公的機関のサイト、ESG評価を行う第三者機関、証券会社の投資レポートなどがあります。
※SNSやYouTubeも参考になりますが、情報の出所や専門性をしっかり確認することが大切です。
グリーン投資には、「利益を得る」と「環境に貢献する」という2つの目的があります。たとえば、「5年以内にリターンを得たい」のか、「長期的に環境貢献を重視したい」のか、目的によって選ぶ投資商品やリスクの許容度が変わります。
最初に自分の目的や軸をしっかりと決めておきましょう。
「投資には多額の資金が必要」と思われがちですが、グリーン投資も少額から始められます。
再生可能エネルギー関連のETF、ESGテーマ型の投資信託、環境プロジェクト向けクラウドファンディングなど、1万円程度から投資できる商品も豊富にあります。
投資は「買ったら終わり」ではありません。市場の動き、政策の変更、保有商品の値動きなどを定期的にチェックし、必要に応じてポートフォリオのリバランス(資産の配分調整)を行いましょう。
3ヶ月〜半年ごとの見直しを習慣にすると、リスク管理もしやすくなります。
グリーンエネルギー投資は将来性が高い一方で、いくつかの注意点もあります。投資を安全かつ効果的に行うために、以下の点をしっかり押さえておきましょう。
再生可能エネルギーや環境関連の分野では、技術の進歩や規制の変化が頻繁に起こります。たとえば、太陽光や蓄電池のコストが急激に下がったり、政府の補助政策が変更されたりすることで、企業の業績や株価が大きく動くこともあります。
※市場や技術の変化に敏感になり、定期的に情報をアップデートする姿勢が重要です。
インターネットやSNSにはさまざまな情報があふれていますが、すべてが正確とは限りません。
情報の出所や発信者の立場をしっかり確認しましょう。
信頼できる主な情報源例:
※根拠のある情報を選ぶことが、リスク回避につながります。
グリーン投資人気に便乗した詐欺案件にも注意が必要です。
特に以下のような特徴を持つ案件には警戒しましょう。
次のような案件には要注意:
※高利回りをうたう商品ほど疑うくらいの慎重さが大切です。
たとえグリーン投資に魅力を感じていても、1つの投資先に資金を集中させるのは危険です。
※リスクを抑えるためには、分散投資が基本中の基本です。
グリーンエネルギー投資は、日本国内だけでなく、世界中で注目されているテーマです。
近年、再生可能エネルギー分野への投資は国際的に急拡大しています。
主な動向は次の通りです。
※このように、政策支援と民間資金が連動し、市場拡大が進んでいるのが世界的なトレンドです。
グリーンエネルギー投資は今後も拡大が予想されます。主な理由は次の通りです。
一方で、
といった課題もあるため、国際動向を継続的にウォッチする姿勢が大切です。
グリーンエネルギー投資は、環境保全と経済的リターンの両立を目指せる注目の投資分野です。再生可能エネルギーや環境関連ビジネスの成長が期待される中、投資家にとっても大きなチャンスとなっています。
一方で、市場の変動や情報不足、政策変更といったリスクも存在するため、注意が必要です。
正しい情報を収集し、投資目的を明確にしたうえで、まずは少額からスタートし、徐々に理解を深めていくことが大切です。
投資は長期的な視点で取り組むべきであり、定期的な見直しを行うことでリスクを管理しながら着実に成長を目指せます。
将来の地球と自分の資産のために、グリーンエネルギー投資に挑戦してみてはいかがでしょうか?
本コンテンツは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものです。投資家は投資商品ごとのリスクを十分理解したうえで、投資について調査・検討し、自らの責任の下で投資を行うようお願いします。掲載されている情報を基に損害を被った場合でも、運営会社及び情報発信元は一切の責任を負いません。本コンテンツに掲載される情報は、弊社が信頼できると判断した情報源を元に作成していますが、その情報の確実性を保証したものではありません。なお、本コンテンツの記載内容は予告なしに変更することがあります。
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