用語解説
2025.02.07
従来の金融機関を介さず、企業が直接資金を調達する手段として注目されているソーシャルレンディング。
銀行を介さず、手軽な資金調達と高い利回りが魅力ですが、リスク管理が不可欠です。本記事では、ソーシャルレンディングの基礎知識とその仕組み、メリットとデメリットについて解説します。
ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一つで「融資(貸付)型クラウドファンディング」とも呼ばれます。これは、お金を借りたい事業者と、投資したい個人をインターネット上で結びつける新しい金融サービスです。
一般的なクラウドファンディングでは、投資した金銭の見返りを求めない「寄付型」や、リターンとして製品やサービスを受け取る「購入型」が主流です。一方で、ソーシャルレンディングは、投資家がクラウドファンディングのプラットフォーマーを経由して事業者にお金を貸すことを目的としています。事業者は、金銭消費貸借契約時に定めた利息を支払い、最終的に返済する必要があります。
ソーシャルレンディングは、資金を調達したい企業と投資家をマッチングするサービスで、ソーシャルレンディング事業者がその橋渡し役を担っています。以下がそれぞれの役割です。
ソーシャルレンディング事業者はプラットフォーム上で投資家から調達した資金を企業に貸し出す役割を担っています。
資金調達を希望する企業の審査を行い、必要な資金を募るためのプロジェクトを掲載します。資金が集まると、企業に融資を行い、企業から貸付利息を受け取り、手数料等を差し引いた金額を投資家へ分配します。
掲載されたプロジェクトに出資を行います。投資家は投資金額に応じて予定利回りに応じた分配金が得られます。
ソーシャルレンディング事業者の運営するプラットフォームに貸付を受けたい旨を申し込み、ソーシャルレンディング事業者のプラットフォームを経由して投資家からの資金が集まると、融資を受けることができます。
その後、貸金業者との契約に基づき、一定期間内に元本と利息を返済します。
投資した後は、償還まで何かすることはほとんどありません。値動きをチェックする必要もありません。ファンドの償還期限がきたら投資元本と分配金の入金を待つだけです。
ソーシャルレンディングは、比較的短期での運用が多く、運用期間は案件によって差があり、3ヶ月〜1年程度の期間での運用が多く見受けられます。様々な案件があり、自分の運用スタイルに合わせて投資先を選択できます。
予定していた運用期間より早く投資家に元本が返還されるのが「早期償還」です。早期償還が行われると当初の予定されていた期間よりも早く、運用期間が終了し、元本の償還と分配が行われることとなります。元本や分配金は支払われますが、予定していた利息を得られない可能性があります。投資計画をお持ちの方にとっては、投資元本も返還されてしまうので、当初の投資計画と異なってしまうことから、資金の再投資先を考慮する必要も出てくるでしょう。
また、借入先の信用状況が悪化した場合、返済が遅延することもあり、その間、配当や元本の償還が滞る可能性があります。
さらに、営業者は投資家からの出資を基に貸付を行い、借入先からの弁済を受けて配当や償還を行いますが、借入先の破産や信用状況の著しい悪化により、弁済が実行されない場合には、営業者を通じたお客様への配当や元本の償還が困難となります。このような場合、投資家の投資元本に欠損が生じ、損失を被る可能性があります。
また、営業者自体の財務状況や信用力も重要な要素となります。営業者が他の事業活動において経営悪化や破産に陥った場合、本匿名組合契約の出資金が毀損するリスクがあります。これらのリスクを十分に理解した上で、分散投資や余裕資金での投資を行いましょう。
・流動性が低い
ソーシャルレンディングでは、ファンド運用中の中途解約は認められないケースが多いです。一度出資をすると、原則、運用が終了するまで資金を引き出せないリスクがあります。急にまとまったお金が必要になったときなど、引き出せなくなりますので、余裕資金で投資を行いましょう。
運営会社が破産してしまうと、サービスが利用できなくなるだけではなく、出資資金を回収できず、損失が発生する可能性があります。運営会社は、分別管理といって運営会社と投資家の資金の口座を分けて運営していますが、運営会社が破産することで送金事務等ができなくなったり、遅滞することで、投資家の出資した元本が欠損したりする可能性もあります。
・迅速な資金調達が可能
融資のための審査や手続きに時間のかかる銀行融資や他の資金調達方法と比べて、ソーシャルレンディングは審査期間が短く融資までの手続きも早いため、比較的迅速に資金調達をすることが可能です。投資家から直接資金を調達できるという点にも優位性があります。
・実績が少なくても資金調達が可能
銀行からの融資が直近の財務状況によっては融資を受けられない企業や、設立して間もない企業でも、一般的に資金を調達しやすい点が大きなメリットです。過去の実績よりも、借り手企業の財務情報等の他に融資対象となるプロジェクトの内容の価値、開発によって将来見込まれる収益等、返済可能性が高いと判断されれば融資を受けられる可能性があります。
・マーケティング効果がある
プラットフォーム上に掲載して資金を集めることで、企業のプロジェクトやビジネスを多くの投資家に知ってもらい、自社の商品やサービス(ブランド)の知名度の向上にもつながる機会になります。これにより、新たなサービスや商品を生み出すきっかけにもなり、新たな顧客やパートナーを得る可能性が高まります。
企業に融資する際の金利は、投資家が負うリスクの補償として設定されるため、銀行融資よりも高くなる場合があります。その結果、企業は返済の負担が増えるリスクを抱えることになります。
返済までの期間が短いファンドが多く、返済までの期間が短いと資金繰りが厳しい企業にとっては負担が大きくなることがあります。(運用期間が長いファンドもあります)
ソーシャルレンディングは投資や融資の障壁が低く参入しやすい点で注目されていますが、急速に成長した市場であることから、過去には行政処分や業務停止命令に至ったケースもあります。以下のようなリスクを十分に考慮して行うことが重要です。
ソーシャルレンディングは「ファンド持分の募集又は私募の取り扱い等」に該当するため、事業者は『第二種金融商品取引業』の登録を受けなければなりません。登録のない業者による募集は詐欺である可能性が高いので、注意が必要です。投資や融資を行う際には、十分に確認してください。
事業者は、顧客の判断に重要な影響を与える内容を記載した書面を、事前に顧客へ提供する義務があります。この書面が提供されない場合、十分な情報を得られないまま投資を行うことになるため、注意が必要です。
以下のような内容が記載されているか確認しましょう。
・事業者の基本情報(会社概要・金融庁への登録番号や「第二種金融商品取引業」などの登録情報)
・金銭の払込み、手数料、解約などに関する事項
・投資された資金の管理方法、資金の流れに関する事項
現在ソーシャルレンディングを提供しているサービスをいくつかご紹介します。
https://crowdbank.jp/
日本クラウド証券株式会社が運営しているサービスです。
中小企業向けの融資、不動産、再生可能エネルギー事業など、幅広い分野のプロジェクトが掲載されています。平均利回りが5.80%と高いことも特徴です。
SAMURAI証券会社が運営している、上場企業や債券以外の投資を指す「オルタナティブ投資」に特化したサービスです。
SAMURAI証券会社は、第一種・第二種金融商品取引業を取得しており、信頼性が高いのが特徴です。また、国内外の多数のプロジェクトが掲載されています。
株式会社バンカーズが運営しているサービスです。
掲載されているプロジェクトは、金融のプロフェッショナルが独自の審査基準による審査を行って通過した企業に限られており、リスクを5段階で評価し、開示しています。このように情報の透明性が高いのが特徴です。
ファンス株式会社が運営しているサービスです。
手数料無料で「1円から1円単位」で投資できるので、より手軽に投資を行うことが可能です。掲載されているプロジェクトは、公認会計士等で構成された審査部門が独自の基準で審査して通過した企業に限られています。
また、クーポン券の提供やイベントなどを実施する「Funds優待」があることも特徴です。
https://yamawake.jp/index.html
WeCapital株式会社が運営しているサービスです。
1口1万円から投資が可能で、不動産やイベント、飲食店等の店舗等幅広いジャンルの企業へを投資対象としています。
ソーシャルレンディングは、投資家と借り手の企業双方にとって、従来の資金調達方法よりも障壁が低く、スピーディに希望が叶う点で注目されており、今後さらに市場が拡大することが予想されます。
また、国内外を問わない企業のビジネス、社会貢献、インフラ、地方創生など多種多様なプロジェクトが掲載されているのが特徴です。
これにより、投資を通じて企業や社会、世界に貢献し、資金を調達できた企業はより良い社会を創っていくことが可能になります。
初心者にとっても、適切な準備と戦略があれば成功の可能性は大いにあります。
ぜひこの仕組みを活用して、希望を叶えてみてください。
スマホで完結できる不動産クラウドファンディング「ヤマワケエステート」
本コンテンツは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものです。投資家は投資商品ごとのリスクを十分理解したうえで、投資について調査・検討し、自らの責任の下で投資を行うようお願いします。掲載されている情報を基に損害を被った場合でも、運営会社及び情報発信元は一切の責任を負いません。本コンテンツに掲載される情報は、弊社が信頼できると判断した情報源を元に作成していますが、その情報の確実性を保証したものではありません。なお、本コンテンツの記載内容は予告なしに変更することがあります。 WeCapial株式会社 第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2768号 加入協会:一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 HP:https://www.we-capital.co.jp/ サービスサイト:https://yamawake.jp/index.html
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