マネー&ビジネス
2025.05.30
はじめに、「初任給はいくらだったか※3年目の方は、当時を思い出しながら回答してください」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『15万円未満(8.7%)』
『15~18万円未満(23.1%)』
『18~21万円未満(33.1%)』
『21~24万円未満(23.0%)』
『24~27万円未満(8.1%)』
『27~30万円未満(1.7%)』
『30万円以上(2.3%)』
『18~21万円未満』という回答が最多になり、15万〜24万円の範囲に集中していることがわかります。
総務省統計局によると、単身世帯の1か月の消費支出は平均169,547円で、生活基盤を整えるだけで精一杯で自由に使える可処分所得は少ないことがうかがえます。
(※総務省統計局 家計調査報告参照:https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2024.pdf)
では、初任給は何に使ったのでしょうか。
「初任給の使い道」について尋ねたところ、『両親や家族へのプレゼント(46.9%)』が最多となり、『生活費(40.0%)』『自分へのご褒美(39.9%)』となりました。
■初任給は何に使った?
・【両親や家族へのプレゼント/自分へのご褒美】焼肉を両親にご馳走した(20代/女性/徳島県)
・【生活費/奨学金の返済】生活費や奨学金の返済など、生きていくのに必要なことに使った(20代/女性/広島県)
・【両親や家族へのプレゼント/貯金】家族にケーキを買った(20代/女性/福岡県)
・【両親や家族へのプレゼント/自分へのご褒美】就職祝いをくれた親戚にお礼の品を買う(20代/女性/神奈川県)
・【両親や家族へのプレゼント】父親に服を買ってあげた(20代/男性/東京都)
初任給という人生の節目において、多くの若者が「両親への感謝」を最優先にしており、家族や育ててくれた両親への感謝の気持ちがうかがえました。
また、『生活費』も上位になり、初任給の多くを生活維持のために充てざるを得ない現実を映していると考えられます。
さらに、『貯金』が上位に入っていることからも、早期から将来を見据えた金銭管理への意識が芽生えていることが示されました。
次に、初任給を受け取ったときの気持ちをうかがいました。
「初任給を受け取ったときの感想」を尋ねたところ、『社会人になった実感が湧いた(41.1%)』が最も多く、次いで『税金や控除で手取りが今後さらに減ることに不安になった(25.9%)』『もっと稼ぎたいと思った(23.9%)』となりました。
『社会人になった実感が湧いた』という回答が最多になった一方で、控除や税金への不安が2位に入ったことから、初任給が「純粋な喜び」だけで終わらなかった様子がうかがえました。
また、『もっと稼ぎたいと思った』という回答からは、経済的な自由が想像以上に制限されていると感じた若者の現実認識が見られましたが、お金に対する考え方に変化はあったのでしょうか。
「初任給を受け取った後、お金に対する考え方で変化したこと」について尋ねたところ、『お金の管理(貯金・家計簿)を意識するようになった(44.1%)』が最多になり、次いで『節約の大切さを実感した(37.9%)』『給料の使い道を計画的に考えるようになった(33.0%)』となりました。
新社会人にとって、初任給は単なるお金の受け取りではなく、自己管理能力が試される第一歩でもあるようです。
特に、家計簿や節約に対する前向きな取り組みは、現代の若者が「将来に備える」価値観を強く持っていることを表しています。
また、『投資に興味を持つようになった』など、自主的な資産形成に関心を持つ方も一定数いることがわかりました。
では、現在の手取り額で十分な生活はできてるのでしょうか。
「現在の手取り額で、毎月の生活費は足りているか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『余裕がある(貯金や趣味にも十分回せる)(19.5%)』
『なんとか足りている(十分ではないが、困ることはない)(45.0%)』
『ギリギリ足りている(節約しないと厳しい)(23.9%)』
『不足している(節約しても厳しい)(11.6%)』
この結果から、給与水準と生活費とのバランスが、若手社会人にとって極めてシビアな状況であることが見て取れます。
そこで、「現在の手取り額に対する満足度」を尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『とても満足している(11.4%)』
『やや満足している(36.3%)』
『あまり満足していない(36.0%)』
『まったく満足していない(16.3%)』
給与に対する評価は、近年の物価上昇に対して賃金が追いついていない実状が「不満」という形で表面化していると考えられます。
また、SNSなどで他者の生活水準を目にする機会が増えていることも、自身の給与に対する期待値を引き上げている一因かもしれません。
現在の手取り額に満足している、していない理由について詳しく聞きました。
■現在の手取り額に満足している?していない?
【とても満足している/やや満足している】
・貯蓄も十分にできるから(20代/女性/千葉県)
・給料相応の仕事量だと感じているから(20代/女性/千葉県)
・新卒の割にはかなりの額をもらっていると思う(20代/男性/埼玉県)
【あまり満足していない/まったく満足していない】
・毎月の生活費、奨学金やローンの返済で綺麗になくなってしまうため(20代/女性/広島県)
・労力と割に合わない(20代/女性/石川県)
・将来を考えると足りないから(20代/男性/兵庫県)
貯金も十分にできている、給料相応の仕事量だといった理由で満足している方がいる一方で、労力と割に合わない、将来を考えると不安など、手取り額に不満を感じている方もいることがわかりました。
次に、2年目以降の税金や社会保険料の控除についてうかがいました。
「2年目以降の税金・社会保険料の控除」について尋ねたところ、約6割の方が『高いと感じる(56.9%)』と回答しました。
若手社会人にとって、控除の実感は「給与の減少」として非常に響いていることが読み取れます。
控除額の「高さ」に対する声が多数を占めた背景には、収入がまだ少ない段階での負担感があるといえます。
手取りベースで考える新社会人にとっては、額面とのギャップが心理的なハードルとなっており、「思っていたよりも少ない」という感覚が残りやすいのかもしれません。
そのような中、将来の金銭面についてどのような不安を感じてるのでしょうか。
「将来の金銭面で現時点で最も不安に感じること」を尋ねたところ、『貯金ができない(28.9%)』が最多で、『生活費の増加(23.6%)』『老後の資金不足(19.2%)』となりました。
収入と支出のバランスに苦しむ現状が、将来不安に直結していることが浮き彫りとなりました。
将来の不安として『貯金ができない』が最多になり、前の質問の「現在の手取り額での毎月の生活費」や「手取り額の満足度」とも整合的な結果になりました。
また、老後や結婚・子育てといった長期的なライフプランに対して、すでに不安を抱えている方が一定数いることが示されました。
生活インフラの不安定さが「先の見通し」を阻害し、結果として人生設計を後ろ倒しにしてしまう可能性が浮き彫りになりました。
今回の調査で、新社会人にとっての「初任給」が単なる報酬ではなく、感情や行動、価値観の変化を誘発する大きな転機であることが明らかになりました。
初任給額は「18〜21万円未満」が最多になり、使い道として「両親や家族へのプレゼント」や「生活費」「自分へのご褒美」が上位になりました。
一方、給与に対する期待と現実のギャップ、2年目以降の税金や社会保険料の控除への戸惑いから、若者たちは「お金は思ったよりも自由にならない」という現実を知り、自然と金銭管理への意識が芽生えているようです。
この意識は、家計簿や節約、計画的支出といった「お金の管理スキル」が自然と身につく背景にもなっているといえるでしょう。
さらに、現在の手取り額における生活費について「なんとか足りている(十分ではないが、困ることはない)」という方が多数を占めるものの、手取り額に対する満足度は決して高くありません。
将来の貯金や生活費、老後資金といったライフステージの不安もすでに意識しており、新卒数年目とは思えないほど堅実な金銭感覚が根付きつつあることも示されました。
将来の不安を少しでも解消するためには、仕事以外にお金を動かす資産運用を検討することもひとつの方法かもしれません。
調査概要:「初任給の使い道とお金への意識」に関する調査
【調査期間】2025年4月21日(月)~2025年4月23日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizmalink.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,004人
【調査対象】調査回答時に新卒で入社して3年以内と回答したモニター
【調査元】WeCapital株式会社(https://yamawake-estate.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
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