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2025.09.24

【就職氷河期世代で現在働いている方に調査】約7割が昇給額に「不満」と回答―キャリアと老後に対する本音と支援策に対する期待と慎重な声

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目次

 

 

就職から数十年…これまでのキャリアにおける不満や後悔とは

 

 

はじめに、「これまでのキャリアの中で、不満や後悔を感じていることはあるか」と尋ねたところ、『給料が思うように上がらない(45.1%)』が最も多く、『希望の仕事につけなかった(31.3%)』『責任や業務量に見合った報酬や評価が得られない(23.0%)』となりました。

「給料が思うように上がらない」という不満が最多であることから、賃金の停滞がキャリア構築における根本的な障壁となっているようです。

また、「希望の仕事につけなかった」という回答も多く、初期の採用機会がその後の職業選択に影響を及ぼしている可能性がうかがえます。

「評価と責任の不均衡」や「将来の生活への不安」も上位に位置しており、長期的な視点で働き続けるうえでの安心感の欠如が背景にあると考えられます。

 

 

次に、「就職してから現在までの昇給額に対する満足度」について尋ねたところ、約7割が『やや不満(36.2%)』『とても不満(29.4%)』と回答しました。

肯定的な回答が少数で、「不満」の声が約7割を占めており、多くの方が自身の待遇に見合う報酬が得られていないという意識を抱いていることがわかりました。

1か月で自由に使える金額は…?ゆとりを持てる金額と大きなギャップ

次に、1か月あたりの自由に使えるお金についてうかがいました。

「1か月の自分で自由に使えるお金(またはお小遣い)はどのくらいか」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

 

『0円(自由に使えるお金がない)(4.3%)』

『5,000円未満(5.8%)』

『5,000円~10,000円未満(12.7%)』

『10,000円~30,000円未満(35.7%)』

『30,000円~50,000円未満(21.2%)』

『50,000円~100,000円未満(12.2%)』

『100,000円以上(8.1%)』

自由に使えるお金が『10,000円~30,000円未満』と回答した方が最多になり、全体の約6割が「月30,000円未満」にとどまっている実態が見られました。

また、『0円(自由に使えるお金がない)』や『5,000円未満』といった極端に少ない方も一定数おり、格差が浮き彫りになっています。

では、その金額に対してどの程度満足しているのでしょうか。

 

 

「現在の1か月の自分で自由に使えるお金(またはお小遣い)の金額に満足しているか」について尋ねたところ、約6割が『やや不満(34.6%)』『とても不満(22.6%)』と回答しました。

1か月の自由に使える金額に対して「不満」と回答した方が多いようですが、では、どれくらいの金額があれば心に余裕が持てると思うのでしょうか。

「1か月にどれくらい自分で自由に使えるお金(またはお小遣い)があれば、より心に余裕が持てるか」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

『5,000円未満(1.9%)』

『5,000円~10,000円未満(1.8%)』

『10,000円~30,000円未満(11.6%)』

『30,000円~50,000円未満(28.1%)』

『50,000円~100,000円未満(32.7%)』

『100,000円以上(23.9%)』

より心に余裕が持てる金額としては、『50,000円~100,000円未満』が最多となりました。

この感覚は、最近の物価高の影響を考えると、就職氷河期世代に限らず多くの人が共感できる金額水準ともいえるでしょう。

また、実際の自由に使える金額が『10,000円~30,000円未満』が多いことを踏まえると、現状とのギャップは大きく、生活の中で経済的な自由度が不足しており、将来に備える余力を持ちにくい現状がうかがえます。

 

 

 

老後の不安に対する声はさまざま、「年金・医療費・生活支援」に期待する声が多い一方で慎重な意見も

1か月に自由に使える金額と、より心に余裕が持てる金額が明らかになりました。

では、今後の人生、特に老後に対してはどのような不安を抱えているのでしょうか。

 

「老後の生活について、不安を感じていることはあるか」と尋ねたところ、『年金だけでは生活できない(72.8%)』が最多になり、『医療費や介護費が増える(52.4%)』『働き続けられるか不安(42.3%)』となりました。

老後に対しては、「年金だけでは生活が成り立たない」という声が約7割を占めており、制度だけでは安心できないという認識が明らかです。

また、「医療・介護費」や「働き続ける能力」への不安も目立ち、生活・健康・資産の三重リスクが重なる構造が浮き彫りになりました。

老後の生活に対する不安を感じる中、政府や自治体による支援策についてはどう感じているのでしょうか。

「政府や自治体による「就職氷河期世代への支援策」(再就職支援・年金対策など)について、どのように感じるか」について尋ねたところ、8割が『あまり期待していない(41.7%)』『全く期待していない(38.3%)』と回答しました。

支援策に対して大多数が「期待していない」と回答し、政府・自治体の取り組みに対する信頼の低さがうかがえます。

では、どのような理由で政府や自治体の「就職氷河期世代への支援策」に期待している、していないのでしょうか。詳しく聞きました。

 

 

政府や自治体による「就職氷河期世代への支援策」への期待感は?

【とても期待している/ある程度期待している】

・老後くらいは安心したい(40代/男性/愛知県)

・ある程度苦労したから(40代/男性/東京都)

・やっとその世代の深刻さにスポットがあたったから。 今、世の中を支えるはずのその世代の所得が増えないと、日本の景気は上がらないと思うので、もっと力を入れて欲しい(40代/女性/滋賀県)

・氷河期世代は大学を卒業しても安定した仕事につけない人が多い、給料もあまりあがらない。現在の新卒の給料と比較しても大差がない気がする。国が支援に動くことを期待する(40代/女性/愛媛県)

・対策してくれないと高齢化社会はどうにもならなくなる(50代/男性/広島県)

・再就職支援に期待(50代/男性/宮城県)

 

【あまり期待していない/全く期待していない】

・支援のタイミングが遅すぎる(40代/女性/福井県)

・30年以上何も変わっていないから(40代/女性/鳥取県)

・限られた予算の中で、氷河期世代の困窮者を特定して、支援することが難しいと思うため。また、大幅に改善できる支援は無いと思うため(40代/女性/栃木県)

・ばら撒きはあまり良く無いと思っている派(50代/女性/和歌山県)

・支援策が実際に浸透するまで時間がかかるから。期待していない(50代/男性/福島県)

・資金は責任を持って自身で増やすものだと思うから(50代/男性/沖縄県)

政府や自治体による支援に「期待している」と答えた方からは、「老後安心して暮らしたい」といった希望や「社会全体の景気回復への期待」といった声が寄せられました

 

 

一方で「期待していない」と回答した方からは、「支援開始の遅さ」「過去と変わらない現状」といった不満の声や、「困窮者の特定の難しさ」「限られた予算や制度の実効性への疑問」といった声もあるようです。

さらに、「ばら撒き的な支援には否定的」「資金は自分で責任を持って増やすべき」などの意見も挙がり、支援のあり方そのものに対する価値観の違いが浮き彫りになりました。

実際に、就職氷河期世代の方はどのような内容の支援を望んでいるのでしょうか。

 

 

 

「就職氷河期世代への支援について、具体的にどのような支援があるとよいと思うか」と尋ねたところ、『年金制度の見直し(受給額の増額・受給開始年齢の改善など)(63.3%)』が最多で、『医療費や介護費の軽減措置(45.5%)』『給付金や生活支援金などの直接的な金銭的支援(40.6%)』となりました。

最も多く挙げられたのは「年金制度の見直し」で、将来の生活設計に対する根強い不安がうかがえます。

また、「医療費や介護費の軽減」「給付金などの金銭的支援」も上位となり、再就職や待遇改善といった中長期的支援よりも、現実的かつ直接的な負担軽減策へのニーズが高いことが示されました。

 

 

 

まとめ:キャリア・生活・老後にわたる「三層の不安」が浮き彫りに…将来に備える具体的な手立てが重要なテーマに

今回の調査で、就職氷河期世代で現在働いている方の多くが、キャリア、日常生活、老後の不安を抱えていることが明らかになりました。

キャリア面では「給料の上昇が遅い」「希望の職に就けなかった」「評価と責任の不均衡」といった点が不満として挙がり、昇給額への不満も約7割を超える結果となりました。

「働いても待遇が伴わない」と感じている方が多く、仕事のやりがいと報酬のバランスにギャップがあることが見て取れます。

生活面では、自由に使える1か月の金額について「10,000円〜30,000円未満」が最多となりました。

また、「老後は年金だけでは生活できない」の回答が約7割に上ったことからも、限られた収入の中でいかに資産形成や老後準備を進めるかが、多くの人にとって課題になっていることがわかります。

そして、老後資金に加えて、医療・介護費や働き続けられるかといった懸念も多く挙がり、年金制度を前提とした従来の生活設計だけでは不安が残るため、将来に備える具体的な手立てをどう整えるかが重要なテーマになっているようです。

このような懸念や課題がある中で、政府や自治体の支援策については期待していない方が多く、「再就職支援に期待する」といった声もある一方で、「支援の遅れ」「制度の実効性への疑問」「ばら撒き的な支援は望まない」といった意見も多く寄せられました。

 

 

調査概要:「就職氷河期世代のキャリア・生活・老後不安」に関する調査

【調査期間】2025年9月4日(木)~2025年9月5日(金)

【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査

【調査人数】1,013人

【調査対象】調査回答時に就職氷河期世代で現在働いていると回答したモニター

【調査元】WeCapital株式会社(https://yamawake-estate.jp/

【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

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