用語解説
2025.09.12
物件の購入や売却、引っ越しなどの不動産取引をするにあたって、価格相場や周辺環境など事前に正確な情報を知っておくことはとても重要です。しかし、莫大かつ散在する情報を収集するのは大変。そこで役立つのが、国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」です。
この記事では、「不動産情報ライブラリ」の特徴から活用方法まで詳しく解説します。不動産取引を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
不動産情報ライブラリとは、不動産の取引価格情報や防災情報、都市計画情報、周辺施設情報など、不動産に関する情報を一括で見ることができる国土交通省のWEBサイトhttps://www.reinfolib.mlit.go.jp/です。
現在、国や自治体のホームページを通じてさまざまな不動産に関する情報が公開されていますが、これらを全て把握することはとても困難です。そこで、散在しているデータを一本化し、消費者が円滑に情報収集ができるように作られたサービスが不動産情報ライブラリです。
ここでは、不動産情報ライブラリに掲載されている情報の種類について説明します。
不動産取引において重要な指標のひとつである価格情報。不動産情報ライブラリでは、国土交通省地価公、都道府県地価調査、不動産取引価格情報、成約価格情報など、不動産の価格に関する詳細なデータを一気に確認することができます。
これにより、消費者や投資家は市場の適正価格での取引をしやすくなります。
大規模盛土造成地、土地条件図、陰影起伏図が公開されています。例えば、土地条件図では土地の地形分類や高低、防災施設、災害の影響を受けやすい地形的条件などが記載されており、自然災害の危険度を判断した上で不動産取引ができることが魅力です。
洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波浸水想定、災害危険区域など、他にもあらゆる自然災害に関連する防災情報が提供されています。
不動産情報ライブラリを活用することで、自然災害が危惧されるエリアを避けて土地や物件を購入できます。
不動産情報ライブラリでは、公共施設(市役所など)、小中学校及びその学区、幼稚園・保育園、医療機関などの周辺施設情報が掲載されています。
事前に公的サービスを受けやすいエリアをチェックでき、医療機関などへのアクセス利便性や自身にあったエリアを判断できるのがメリットです。
都市計画区域、用途地域、防火・準防火地域、立地適正化計画、地区計画、高度利用地区などが掲載されており、都市計画を網羅的にチェックできるのが特徴です。
都市の将来像や建設可能な建物の規定などを把握できるため、長期的な視点での不動産選びが可能になるでしょう。
※立地適正化計画は市町村によって整備状況が異なり、すべての市町村でみられるわけではありません。
国勢調査に基づく世代別人口及び2070年までの将来人口推計(250mメッシュ)が公開されており、将来人口が増加するエリアを想定して土地や物件を選ぶことができます。
また、駅ごとの1日あたり乗降客数も掲載されているため、多くの方が鉄道を利用する駅を特定でき、不動産運営を考えている方は賃貸需要の高いエリアを見つけることが可能です。
通常、不動産関連の詳細なデータは有料サービスとして提供されることが多いですが、不動産情報ライブラリでは国土交通省が公表する詳細なデータを無料で閲覧でき、誰でも手軽に不動産情報を活用できます。
コストをかけることなく情報収集を行いたい消費者にとって心強い存在と言えるでしょう。
不動産情報ライブラリは、価格・地形・防災・人口などの多様な情報を地図上に重ねて表示ができます。そのため視覚的に理解しやすく、効率的な情報収集が可能です。
家族構成やライフプランに合わせた物件探しや、不動産投資のための最適エリアなど、自身の目的に添った総合判断がしやすいのも魅力のひとつです。
不動産情報ライブラリは、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットからも手軽にアクセスができます。物件の内覧時や気になるエリアを訪れた際、移動中など、その場で価格や周辺施設などの情報を容易にチェックできるのも嬉しいポイントです。
不動産取引における必要な情報が掲載されている不動産情報ライブラリ。ここでは不動産情報ライブラリを活用できる主な利用シーンをご紹介します。
物件探しにおいて、長く快適に、安心して住んでいけるかは大切な判断材料です。不動産情報ライブラリでは、学校、病院、公園、防災情報などの情報を簡単に調べることができるため、住むことを検討している場所の利便性や生活環境を事前に確認することが可能です。
また、地震や土砂災害、洪水、津波などのリスクも掲載されているため、安全な住環境を選ぶための重要な判断材料を得ることができるでしょう。
不動産の購入を検討する際は、価格だけでなく地域の将来性や周辺環境について把握しておくことも重要です。都市計画を調べ、市街化が推進されるエリアであれば、地域の発展と環境の整備が期待できます。将来的に現在よりも利便性の高くなる可能性があるため、物件があるエリアの価値上昇も見込めるでしょう。
このように不動産情報ライブラリでは、物件の将来性やリスクを判断するための詳細な情報が掲載されており、投資家がより安全、かつ利益を見込める物件を選びやすくなります。
不動産情報ライブラリは、売却を検討している物件の価格予測にも有効です。周辺エリアの過去の実際の取引データや市場動向が公開されているため、相場だけでなく需要の見込める適正価格を見極めた上で売却価格を設定をすることができます。
投資用にマンションなどの不動産を購入する場合は、地価の動向や、将来性も含めた市場動向を把握することが重要です。不動産情報ライブラリでは、価格情報だけでなく人口の推計なども調べることができます。現況だけでなく将来の発展が期待できる地域や、賃貸需要が高い物件を効率的に見つけることにも役立ち、投資家がより安全、かつ利益を見込める物件を選びやすくなるでしょう。
不動産情報ライブラリは、不動産に関するさまざまな情報を地図上に一括で表示できるWEBサービスです。国土交通省が運営しているため信頼性が高く、不動産の価格情報や防災情報、都市計画情報、周辺施設情報などを事前に調べることができます。
不動産業者はもちろん、不動産投資に取り組む投資家、自宅の購入・売却や引っ越しを検討している方にとって、長期的な視点と慎重な物件選びは欠かせません。アクセスや周辺環境の利便性、市場の動向など、不動産情報ライブラリを有効活用し、賢く不動産の取引をしましょう。
本コンテンツは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものです。投資家は投資商品ごとのリスクを十分理解したうえで、投資について調査・検討し、自らの責任の下で投資を行うようお願いします。掲載されている情報を基に損害を被った場合でも、運営会社及び情報発信元は一切の責任を負いません。本コンテンツに掲載される情報は、弊社が信頼できると判断した情報源を元に作成していますが、その情報の確実性を保証したものではありません。なお、本コンテンツの記載内容は予告なしに変更することがあります。
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